個人事業主や副業を始めたばかりの方にとって、避けて通れないのが「確定申告」です。「自分でできるのかな…」「売上がゼロだったらどうする?」「会計ソフトに年間3万円払う価値はある?」など、疑問や不安は尽きませんよね。
今回は、確定申告にまつわる「自力の難易度」「売上ゼロ時の対応」「有料会計ソフト(freee等)の費用対効果」という3つの疑問を分かりやすくまとめました。
疑問1:確定申告って自分でやるのは難しい?

結論から言うと、現在の確定申告は8割以上の人が自分だけで完結可能です。
昔のように手書きで複雑な計算をする必要はなく、国税庁の特設サイトやクラウド会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)が非常に優秀になっているためです。画面の案内通りに入力や質問への回答を進めるだけで作成できます。
自分の状況に応じた難易度の目安を見てみましょう。
状況ごとの難易度一覧
会社員の控除申請(医療費控除やふるさと納税など)
難易度:★☆☆☆☆(とても簡単)
源泉徴収票と証明書(医療費の領収書や受領証)があれば、スマホから15〜30分程度で申請が完了します。
副業の申告・白色申告
難易度:★★☆☆☆(やや簡単)
収入と経費を整理して入力するだけなので、ソフトを使えば数時間〜半日程度で作成可能です。
個人事業主の青色申告(65万円控除)
難易度:★★★☆☆(普通)
複式簿記の知識が少し必要ですが、クラウド会計ソフトと銀行・クレジットカード連携を使えば自力で十分対応できます。
複雑な取引がある(不動産売買・株の特殊取引など)
難易度:★★★★☆(やや難しい)
節税の特例や計算が複雑になるため、税務署の相談窓口や税理士のサポートを検討するのが安心です。
初心者がつまずきやすい「3つの壁」と対処法
専門用語の壁(「控除」「源泉徴収」など)
対策 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や会計ソフトを使えば、「給与の支払者は何社ですか?」といった質問に「はい/いいえ」で答え、数字を打ち込むだけで自動計算されます。
領収書整理と集計の壁
対策 月1回、または確定申告の時期にまとめてクレジットカード明細や電子領収書を同期・整理する習慣をつけましょう。
間違えたらどうしようという不安
対策: 申告期間中(例年2/16〜3/15)は税務署で相談しながら作成できる会場が開設されます。また、提出後であっても申告期限内であれば何度でも正しい内容に上書き提出が可能です。
売上が無い(ゼロ)場合は確定申告しなくてもいい?
結論として、「売上(収入)が完全になく、赤字(無収入)」である場合、原則として所得税の確定申告をする法的な義務はありません。
所得税は「所得(売上 − 経費)」に対してかかるため、所得がゼロまたはマイナスであれば納める税金が発生しないからです。
ただし、「義務はないが、申告した方が得をする(または提出が必要な)ケース」があります。
1. 義務はないが申告した方が得するケース
赤字を将来に繰り越したい場合(青色申告)
青色申告の承認を受けている場合、今年の赤字(損失)を最長3年間繰り越して、翌年以降の黒字(利益)から相殺できます。翌年以降の節税のために、売上0や赤字でも申告しておくのが賢明です。
年の途中で源泉徴収(前払い)された税金がある場合
売上がなくても、一部の取引で税金が引かれていた場合、確定申告(還付申告)をすることで納め過ぎた税金が手元に戻ってきます。
2. 確定申告とは別に「住民税の申告」が必要なケース
所得税(国税)の確定申告が不要でも、お住まいの市区町村へ「住民税の申告(無収入の申告)」が必要になる場合があります。
所得証明書・非課税証明書が必要なとき
国民健康保険料の軽減措置を受けたり、保育園の利用申請、各種手当の申請をする際に証明書が必要になります。無収入申告をしていないと発行されません。
国民健康保険料の減免を受けたいとき
収入がない(または少ない)申告を出すことで、保険料の均等割額が軽減される制度があります。
会計ソフトなどに年間3万円かけてもやる意味はある?
会計ソフトに年間約3万円を払う価値があるかどうかは「青色申告による節税額」と「経理にかける時間の節約」の2点がコストに見合うかで決まります。
結論として、一定以上の所得がある個人事業主であれば、年間3万円を払っても大幅にプラス(お釣りが来る)になります。
年間3万円を払うメリットがある人・不要な人
・ 価値が高い人:事業所得(利益)が150万〜200万円以上ある個人事業主
青色申告(65万円控除)を簡単に適用できるため、税金・社会保険料が年間10万〜20万円以上浮く可能性が高く、3万円のソフト代を払っても数万円〜十数万円手残りが増えます。
・条件付きで検討:毎月の取引件数が多い人
銀行やクレジットカードのWeb明細と自動連携できるため、入力の手間が9割以上削減できます。「作業時間を数十分で終わらせたい」人に最適です。
・不要な人:副業で経費が少ない / 売上が少ない / 白色申告の予定
節税メリット(65万円控除)が小さいため、年間3万円の固定費は負担になります。無料プランや他社の安いソフトで十分です。
・3万円を投資する主なメリット
「65万円の青色申告特別控除」が簡単に使える
複式簿記の知識がなくても、質問に答えてカード明細を同期するだけで控除に必要な書類が作成できます。所得税・住民税・国民健康保険料のすべてが安くなります。
・会計ソフト代自体が「経費」になる
会計ソフトに支払った3万円(税込)は、そのまま経費(通信費や支払手数料など)として計上できるため、実質負担はもう少し下がります。
・作業時間を年間数十時間削れる
明細の自動取り込みやAI推測機能により、確定申告前の領収書入力の手間が劇的に減少します。
コストを抑えたい場合の代替案
「年間3万円は少し高い」と感じる場合は、以下の選択肢も検討してみましょう。
・会計ソフトの検討
やよいの青色申告 オンライン 初年度無料・2年目以降も年額約1万円程度と安価です。
マネーフォワード クラウド確定申告 年額1.5万〜2万円程度で標準機能が充実しています。
freeeの「スタータープラン」 年額約1.5万円〜 機能制限はありますが、確定申告書を作る基本機能はしっかり揃っています。
・国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(無料)
Excel等で年間収支を自分で計算・管理できるなら、政府の無料ツールで電子申告(e-Tax)をするのが最もコストがかかりません。
まとめ
確定申告は、ツールをうまく活用すれば決して難しいものではありません。
自力でできるか? → スマホや会計ソフトを使えば8割以上の人が自力で可能
売上ゼロでも必要? → 義務はないが、赤字の繰り越しや証明書発行のために申告推奨
有料ソフトは必要? → 利益が150万円以上あるなら、青色申告(65万円控除)の節税効果で十分元が取れる
自分の事業規模や所得に合わせて、無理のない方法とツールを選び、スムーズに確定申告を終わらせましょう!
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